総量規制について

総量規制とは

2010年6月に改正された貸金業法で定められた規制で、貸金業者からの借入総額の上限を、年収等の1/3までに制限するというものです。多重債務や、返済能力を超える借入を禁止することを目的としています。

総量規制でどう変わった?

年収等の1/3までしか借入ができなくなりました

例えば、年収600万円の方が借りられる上限は、200万円です。
200万円は借入の総額ですので、1社から借りる場合でも、複数の貸金業者から借りる場合でも、合計で200万円までしか借りることができません。

年収等を証明する書類の提出が必要になることも

1社からの借入額が50万円を超える場合や、複数の貸金業者からの借入総額が100万円を超える場合、年収等を証明する書類の提出が必要になりました。
例えば、すでにA社から80万円の借入がある場合に、新たにB社から30万円の借入を行うと、借入総額が100万円を超えます。この場合には、B社で借り入れる際に年収等を証明する書類の提出を求められます。

※「年収等」は個人の定期的収入として定められた収入の合算で、給与・年金・恩給・定期的に受領する不動産の賃貸収入(事業を除く)・年間の事業所得が対象となります。宝くじ等の一時的な収入は年収に含まれません。

専業主婦の方の単独での借入が難しくなりました

ご自身に収入がない専業主婦の方は、配偶者の年収等が総量規制の基準になります。
配偶者の方が年収600万円の場合、配偶者の同意があれば、200万円までの借入が可能です。ただし、借入総額は配偶者の借入額も合計されますので、配偶者がすでに上限まで借り入れている場合は、主婦の方は借入ができません。
また、借入の際には、夫婦関係であることを証明する書類や、配偶者の年収を証明する書類等が必要になることがありますので、気軽に借りることは難しくなりました。

不動産担保ローンは総量規制対象外です

総量規制は全ての借入を制限するものではなく、いくつかの「除外」または「例外」が定められています。不動産を担保とするローン、借主に有利になる借り換えなどについては、総量規制が適用されません。

総量規制の【除外】となる貸付

総量規制の対象とならない貸付で、年収等の1/3を上限とする借入残高には計上されません。

不動産購入または不動産改良のための貸付け(そのためのつなぎ融資を含む)
⇒いわゆる住宅ローンや、そのためのつなぎローン

不動産(居宅等を除く)担保貸付け
⇒いわゆる不動産担保ローン
⇒不動産を担保とする借り換えやおまとめ

売却予定不動産の売却代金により返済できる貸付け
⇒売却前提の不動産担保ローン

その他、有価証券ローンや自動車ローン、銀行のカードローン、クレジットカードでのお買い物も総量規制に含まれません。銀行からの借入、法人名義での借入も対象外となります。

総量規制の【例外】となる貸付

年収の1/3を超えていても、返済能力を判断したうえで、例外的に貸付が可能となるものを「例外」と言います。

顧客に一方的有利となる借換え
⇒いわゆるおまとめローンなど

配偶者と併せた年収の3分の1以下の貸付
⇒収入がない専業主婦の方でも借入が可能になります
※配偶者の同意と、配偶者(夫婦関係)であることを証明する書類が必要です。
※配偶者も借入を行う場合は、配偶者と併せた借入総額が、配偶者と併せた年収の1/3以下に制限されます。

個人事業者に対する貸付
※事業計画、収支計画、資金計画等により返済能力を確認する必要があります。

その他、緊急の医療費の貸付、預金取り扱い金融機関からの貸付を受けるまでのつなぎ融資に係る貸付についても、総量規制の例外となります。